【15cmを買うならコレ】私がアルミ製のケーキ型を選んだ理由[タイガークラウン Albrid セパトデコ型150]

実は夫のハシカンに内緒でこの記事を書いています。というのも彼の誕生日にむけてチョコレートムースケーキを作る予定なのですが、私は丸いデコレーションケーキ型なるものを持っておらず。お菓子づくりが好きなのになぜ今まで手が出なかったのか、不思議なくらいです。はてさてどんな型にすればよいか…相当悩みましたので、その過程をご紹介しようと思います。同じく迷っておられる方の参考になれば嬉しいです。
過去の失敗
以前、ロールケーキ用天板でシート状のスポンジを作り、パウンドケーキ型にはめこんで、ムースケーキに挑戦したことがありました。ところが参考にしたレシピの型と私のパウンドケーキ型の容積が異なるため、スポンジとムースの配分がくるってしまったんです。レシピよりもスポンジの割合が多く、口の中の水分を持っていかれる感じのムースケーキになってしまったのでした。今回はレシピ通りの出来を目指して、レシピとまったく同じの[丸型15cm底抜けタイプ]を買うことにします。
初心者向きの型とは
丸型の底抜けタイプで15cm、ここまで決まっていても候補はたくさんあります。ここで参考にさせていただいたのが、「富澤商店」のサイト。
「これであなたも器具博士 TOMIZ 器具入門 第一弾 型編」
https://tomiz.com/contents/tool_mold2017
初心者向けでイチオシなのは、「フッ素加工(アルブリット)」で、材質は「アルミなどの鉄+フッ素加工」とあります。お手入れが簡単で焼菓子にと冷菓両方に向いているとのことです。余談ですが、上記の「アルミなどの鉄(原文ママ)」という言い方にはなんだか違和感が。。。アルミは非鉄金属のため、アルミや鉄と言った方が自然な気がします。
フッ素加工は大丈夫?
無視して通れないのが、フッ素加工のこと。以前書いた片手鍋の記事でも、健康リスクの面からフッ素コーティングは避けたいと書きました。またフッ素加工について、以下のような興味深い情報も見つけました。
「金属型に、シリコンやテフロンの薄い膜を施すコーティング加工をしている商品もあります。使い始めの空焼きが不要な上、最初から型離れ効果が望めます。
カロリーカットなどの目的で、コーティング加工のものには油脂を塗らずに使う方もいらっしゃいますが、コーティングが剥がれやすくなるため油脂を少量塗ることをおすすめしています」
「テフロン加工は水に強いので洗えます。ただし、糖分に弱いため甘いお菓子には不向きといわれています。」
(出典:「中川政七商店の読みもの」より 「プロに聞くお菓子作りの道具。かっぱ橋で教わる、失敗しない製菓道具の選び方」
https://story.nakagawa-masashichi.jp/85157)
生地が型につくとフッ素が剥がれやすくなる上、糖分に弱くてお菓子に向いていないとは。フッ素加工の意外な弱点を知ってしまい、出鼻をくじかれた感があります。ただよくよく考えると、すでに持っている100均のパウンドケーキ型もフッ素加工。使用時にはオーブンシートを必ず敷いているため、完全ノーマークでした。ということは、これまでと同じようにオーブンシートを必ず敷いて、フッ素コーティングと食品が直接触れ合わないようにすれば、型を長持ちさせられるし、フッ素が口に入る心配もないということではないでしょうか。型離れをよくするというフッ素加工のメリットを諦めることにはなりますが、錆びにくさの面ではきちんと恩恵を受けている、、、はず。素人考えですが、この仮説をもとに進めます。
候補は5つ
初心者におすすめの「金属+フッ素加工」という条件で検索していると、目ぼしい商品が5つ出てきました。比較しやすいように表にしてみます。
材質と表面加工 | 原産国 | サイズ | 定価 | |
貝印 DL8055 | アルミ+フッ素 | 日本 | 155×h60mm | 税込1,980円 |
パール金属 アンテノア D-6342 | 鉄+フッ素 | 日本 | 外径160×h60mm | 税込990円 |
サンクラフト PP-716 | 合金鋼+フッ素(外側:耐熱塗装) | 日本 | 内寸150×h62mm | 税込1,320円 |
タイガークラウン No.5239 | アルミ+フッ素2コート | 日本 | 150×h57mm | 税込1,980円 |
富士ホーロー 33198 | スチール+フッ素 | 中国 | 150×h60mm | 不明 |
サイズは表記に揺れがあり、外寸か内寸か不明確なところもありますので、参考程度にしていただければと思います。(参考:各メーカーの公式サイトおよびAmazonの商品ページ)
レビュー比較
なにか買い物をする時は、Amazonの商品レビューを参考にしています。まずは貝印から。どうやら別モデルの型が底に向かってすぼまっている(台形になっている)ようで、上記のDL8055が実際どうなのか不明のため今回はパスします。シンプルな寸胴型希望です。パール金属のアンテノアはというと、届いたらキズが付いていたというレビューがいくつか見られるため、やめておきます。サンクラフトはおおむね評判が良さそう。富士ホーローとタイガークラウンはレビューが少なすぎて、判断材料にはならなさそうです。この時点で、サンクラフト、タイガークラウン、富士ホーローの3つに絞り込めました。
ベストな材質とは
ここでちょっと混乱したのが、アルミは別として、スチール、鉄、合金鋼で何が違うの??ということ。調べてみたところ、、、まず鉄の炭素量を増やして強度アップさせたものが鋼。純度の高い鉄は酸化しやすく加工性も悪いため、私たちの身の回りにある鉄というのは、いわゆる鋼のことだそう(スチール、鋼鉄、鉄鋼とも言う)。そして鋼は炭素鋼と合金鋼の2つに分類されるそうです。まとめると、型の素材においては鉄もスチールも合金鋼もほぼ同じということになります。シンプルに、アルミかスチールの二択ということですね。
以下は、「素材別の特徴一覧 (資料提供:馬嶋屋菓子道具店)」という表から抜粋させていただきました。
・鉄素材 サビ×、熱伝導○
・アルミ サビ○、熱伝導◎
・アルブリット(アルミにテフロン加工) サビ○、熱伝導◎
・銅 サビ×、熱伝導◎
・ステンレス サビ○、熱伝導×
・アルミダイキャスト サビ△、熱伝導○
・シリコンゴム サビ○、熱伝導×
(出典:「中川政七商店の読みもの」より「プロに聞くお菓子作りの道具。かっぱ橋で教わる、失敗しない製菓道具の選び方」
https://story.nakagawa-masashichi.jp/85157)
付け加えると、アルミは耐衝撃性△
工夫で何とか出来なさそうな熱伝導に優れたものだと、アルミ、アルブリット、銅のいずれか。残った候補でいうと、タイガークラウンということになります。アルブリットは錆びにくいのも嬉しい!ただ1つ心配なのが、最近Amazonの商品は簡易梱包で送られてくるので、配送時に歪んでしまわないかということです。この時点から少なくとも3日ぐらいはウンウン悩みました。ところが急展開で、たまたま行ったホームセンターでタイガークラウンの型を発見!品質の高さが確認できたため、その場で購入。店舗で購入することで、配送時の衝撃というリスクを回避できました。
材質による型の違いは、こちらのページも大変参考になりました。
「材質・型選びのポイント」
https://www.rakuten.ne.jp/gold/otogino/pop/cooking/point.html
第一印象
タイガークラウン以外のアルミの型で、届いたら凹んでいたなんてレビューもありましたが、こちらは思いのほか剛性がありそうです。
内寸:直径150mm×高さ57mm、底板の直径:147mm。触った感じもしっかりしており、100均の型と違ってペコペコしたりもしません。とはいえ歪ませたくはないので、取り扱いには注意したいと思います。使用前に中性洗剤と柔らかいスポンジで洗い、縁の金属が巻いているところを中心に入念に水気をとりました。
使用感
ケーキ初心者のため、作っている過程の撮影はすっぱり諦めましたww 結論を言えば、チョコレートムースケーキは大成功!夫も喜んでくれました。
肝心の型の使い心地ですが、底取れ式がかなり便利でした。スポンジもムラなく焼けましたので、そこは熱伝導の良さが功を奏したのかなと思います。あと焼く前の気泡をとる時と、焼けた後の焼き縮みを防ぐ時、やや高いところから2〜3回下に落としましたが、それで型が歪むようなことはありませんでした。
オーブンシートの敷き方にコツあり
上述の通り、フッ素加工部分とケーキをオーブンシートで完全に遮断したかったわけですが。シートの敷き方にかなりポイントがありましたので、実際試した3パターンをご紹介させていただきます。(画像は、いずれも油を塗っていない状態です)
パターンA:スポンジ焼成時に使用
よく見かける方法です。実際に作った際は、油を塗ってから側面に帯状のシート→底面に丸いシートを敷きました。結果:シートの隙間から生地が流れて、型に付いてしまいました。
パターンB:スポンジとムース合体時に使用
クックパッドニュースを参考にさせていただきました。
https://news.cookpad.com/articles/35176
印付け不要で、折りたたんでスリットを入れるだけ。オーブンシートの無駄がないところが素晴らしいですね。
結果:底面と側面一体型のため大丈夫かと思いましたが、側面スリットの隙間からムースがもれていました。
パターンC:後日、ベイクドチーズケーキ焼成時に使用
側面シートに入れた細かいスリット(1cm間隔)と底面の丸いシートが重なる仕様。オーブンシートがなるべく少なく済むようにしたらたまたま側面シートが2枚になりましたが、ひとつづきでも3枚に分かれても大丈夫だと思います。シートを重ねてまとめてスリットを入れるのが効率的でおすすめです。印付けとスリット両方が必要なこちらの方法が一番時間がかかりました。
実際に作った際は、漏れた時のために念のため型に油を塗ってから、側面シート→底面シートの順に敷きました。

結果:こちらの方法だと、生地がまったくこぼれませんでした!今度からは、ムースケーキを作る際にも採用しようと思います。
まとめ
たかがケーキ型、されどケーキ型。金属の勉強にもなりましたし、想像以上に奥が深かったです。(なんなら、アメリカのフッ素樹脂塗料の企業サイトまで見に行ってましたww)随分時間はかかりましたが、満足の行く答えが出せました。底取れ式のデメリットとして生地の漏れが挙げられますが、オーブンシートの敷き方を工夫すれば解決できることもわかりましたし、使い心地も今のところ何の不満もありません。底取れ式のケーキ型をお探しの場合は、タイガークラウンのAlbrid セパトデコ型がおすすめです。高品質の型を手に入れることができたので、憧れのショートケーキなどにもいつかチャレンジしてみたいと思います。
ではまた別の記事で。